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Q:6 生活保護受給者は後見制度を利用できない?
居宅介護支援事業所の者です。あるご利用者Aさんについて質問です。当事業所が担当する前に、カードを使ってキャッシングされているようでした。その頃から認知症だったようで、新聞も3社から、営業に来るたびに印鑑を押してしまっていたようです。
当事業所が担当してから、何度もカード会社から督促状が届き、カード会社に電話しても、「本人と話す」と言われました。Aさんの妹さんがカード会社に電話しても、「本人と話す」とか、「解りました」と言いつつ、また、督促状が送られてくる状態でした。 こういう場合、どのように対処したらよろしいのでしょうか?
また、新聞屋さんには、区切りの付くところで解約を申し入れ配達をストップしてもらったのですが、新たな営業の人が訪問し、印鑑を押させました。印鑑は取り上げたはずだったのですが、ご本人がどこかから見つけたようです。その後は、新聞屋さんに事情を話し、ドアに「営業お断り、お支払いしません」と貼り付けました。 こういう営業から守るためにはどうしたらよろしいですか?
この方は生保なので、お金のかかる後見人制度の利用はできないと思うのですが…
こうした、在宅で認知症の方が悪徳業者に狙われているケースは沢山あることと思います。まず覚えておいて頂きたいことは、生活保護であっても後見制度は利用できるということです。
市町村ごとに若干異なりますが、「成年後見制度利用支援事業」というものがあり、後見審判の請求に必要な費用や後見人等への報酬の助成を受けられます。まずはお住まいの自治体に問い合わせ、可能性があるかどうか調べてみてください。可能であれば、妹さんなど身内の方が申請されると良いでしょう。
後見人が付けば、預貯金や現金類、印鑑は全て後見人の下で管理されることになり、ご相談の様な心配はなくなります。玄関先には「後見人が付いています」といった張り紙を替りにされると効果的でしょう。
問題は後見制度が使えない場合ですが、まずは包括や自治体の福祉課等に伝え問題を共有することです。キャッシングや新聞等の取引については、本人が認知症であれば民法上「意思無能力」による無効を主張できますので、理想としては弁護士等の法律家が代理となり各相手方にその旨通知する等できれば整理しやすいかと思われます。弁護士については「法テラス」という、無資力の方でも相談・委任を利用できる機関がありますのでそちらも調べてみてください。
なお、新聞の定期購読については契約書面を受領したときから8日以内であればいわゆるクーリングオフが可能です。契約書とは、クーリングオフについて案内が書かれた書面である必要があるのですが、大抵その様なしっかりした書面は受領していないでしょうから、もし8日を過ぎてしまっている場合でもクーリングオフが認められる場合があります。そちらも諦めず検討してみると良いでしょう。