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Q:5 独居認知症ご利用者の危険行為
訪問介護のサ責です。独居の男性ご利用者が、最近物忘れがひどくなっているらしく傍から見ていてはらはらします。
先日はやかんが火にかけられたまま放置されており、真っ黒に焦げているところをヘルパーが発見し慌てて消火しました。水を出しっぱなしにしたり、近所に買い物に出たきり戻ってこず、徘徊しているところを偶然ヘルパーに保護されたりと、次に何が起こるか分からない非常に危険な状態です。
もしご利用者の行為の結果ご自身や周囲に危害が及んだ場合、関わっている私たち事業所も何かしら責任を負うことになるのでしょうか?
認知症ご利用者の危険行動は、悩ましい問題ですね。法的には、在宅のご利用者にスポットでサービスを提供する訪問介護やケアマネージャー等が責任を負うことは無いといえます。
まずご利用者自身の損害については、在宅の事業所は施設の様に24時間継続してご利用者を見る訳ではないため、サービスに入らない時間帯に起きた事故やトラブルについては原則として安全配慮義務が及ぶことはありません。
次に第三者の被った損害についても、事業所は民法上の監督義務者(民法714条2項)に該当せず、監督責任を負うことはありません。「担当ヘルパーやケアマネだから」といった理由で責任を負うということは無いので安心してください。
もっとも、余りに事故の危険性が明白であり、自分以外関わる者がいないにも拘らず放置していたような場合は責任問題となり得ます。「事業所内で抱え込んでしまい、他に状況を知っている人がいなかった」ということであればそれだけ責任は増すといえるでしょう。 実際に事業所が提訴されたケースはまだ存在しない様ですが、危険を感知した場合は直ちに行政機関や包括に報告、相談する様にしましょう。