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Q:25 退職証明の交付を求められた
特養の施設長です。3ヶ月の期間で雇用した看護師との契約を終了させたのですが、後日「退職証明を出して欲しい」と言われました。
これは離職票とはどう違うのでしょうか。色々と細かいことを指摘してくる人だったので、できるだけシンプルな回答内容としたいのですが、そもそも応対する義務はあるのでしょうか。
退職証明は離職票と異なり、退職者に対し自動的に発行するものではなく、離職者から請求があったときに出せばよいのですが、請求された以上これに応じる義務があります。
離職票と退職証明の役割の違いについて解説します。 まず離職票は、退職年度の給料が記載された手続き上重要な書類であり、各種給付を受ける根拠となるものです。
離職票に記載された金額をもとに、失業給付金額、国民健康保険料、確定申告時の税金徴収額などが決まります。
これに対し、退職証明は上記の様な各種手続きとは関係がありません(国民健康保険に加入する際に証明書類として使えるという機能はあります)。
本来の役割は、「退職した事実」を証明するための書類という位置づけになります。利用する目的としては、転職先企業へ提出し退職の事情を説明すること等が考えられます。
退職証明の内容については、「退職理由、退職日、退職時の役職、退職時の給与、退職時の実績」等が挙げられますが、書式や書き方については雇用主ごとの自由とされています。
退職証明につき定める条文(労働基準法)上は、飽くまで「労働者から請求のあった事項」について記載すべしとされていますので、できれば事前に「どのような事項について証明して欲しいのか。」を尋ね確認しておくとスムーズでしょう。
参照:労働基準法第22条1項「労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあつては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。」