top of page
title.png
info.png

本サイトのコンテンツは、全て月会費以内で制限無く閲覧頂けます

s_background.png
s_01.png
s_02.png
s_03.png
fusen01.png
7.png

   Q:18  虐待の事実確認ができない場合

障害者施設勤務の者です。ある日警察から電話があり、「通行人から通報があり、お宅の施設職員が障害者を平手打ちしているのを見たとのことだった。」と言われました。驚いてその職員に確認したところ、そのようなことはしていないが、言うことを聞いてくれないので肩を掴んだことはあったとの説明でした。

当該利用者の頬には腫れた痕等はなく、平手打ちされた様子も見られなかったのですが、このような場合は法人としてどう対応すればよいでしょうか。

6_2.png
question.png
fusen02.png
fusen03.png
answer.png

いわゆる虐待事件については、密室であったり被害者本人が認知症で状況を正確に述べられない等様々なハードルがあるため、事実認定の段階でつまづくケースも多々あります。

 

このような場合は、「疑わしきは罰せず」という刑事手続上の大原則がありますが、虐待認定の際も同様の精神で臨む必要があります。被疑者が「やっていない」というのであれば、「目撃したと言っている者がいるのだから間違いない」等と軽々に判断してはならず、諸般の事情を総合考慮し客観的かつ合理的な根拠に基づき慎重に判断すべきです。万が一事実誤認で濡れ衣を着せたことになると、今度はその職員から名誉棄損等で賠償請求されかねません。

本件については難しいところですが、本来であれば事件を発見し通報した人から、どの程度離れた距離で、どのような状況の下、どのような態様で平手打ちをしたのかといった事情をできるだけ詳しく聴き取り、真実と認められるかを検証する必要があります。もっとも警察はその情報を教えてはくれないでしょうから、その他の事情から推測せざるを得ませんが、最大のポイントとしてはやはり平手打ちされた様な痕が全く見られないのであれば、被害事実が認めがたいので「証拠が無いため虐待の元となる事実が無く、虐待も起きていない」と認定せざるを得ないかと思われます。

一度そのように認定した以上は、行政から指摘された場合も淡々と結果を説明し、かつ虐待を疑われるようなことのない様一層注意していく旨宣言されると良いでしょう。「李下に冠を正さず」という言葉通り、いずれにせよ第三者からみて疑われる様な行為は慎むべきです。

bottom of page