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   Q:17  虐待行為に加担させられた

派遣で働いてる現場介護員です。先日、ある特養の夜勤で入ったところ、おむつ交換時にご利用者が興奮し暴れ出したのでもう一人の夜勤者を呼びました。するとその夜勤者は「この人はいつもこうなんです。上半身を抑えていて」といい、ご利用者の足を無理矢理開きおむつ交換を終えてしまいました。

私はあっけに取られ、言われるままにご利用者の両腕を軽く掴んでいたのですが、その時はご利用者も多少落ち着きを取り戻されたのか力は入っていませんでした。ところがその翌日、ご利用者が痛がり立ち上がれなかったので調べたところ、股関節が骨折していたことが判明しました。

私はあのとき夜勤者がおむつを無理に交換したときではないかと思ったのですが、指示に従ったとはいえ私自身それに加担する様なことをしてしまいましたので、どうしても施設の方には報告できずにおりました。その夜勤者も黙っている様です。このようなときは正直に報告すべきでしょうか。或いは、私のしたことはいわゆる虐待に当たるのでしょうか。

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虐待は定義が曖昧であり、事実経緯や因果関係も不明瞭である場合が多いため認定が難しいのですが、本件はどちらかというと身体的虐待と認定されてもおかしくないケースであるとは思います。見極めのポイントは、「本来不要である、ご利用者にとって危険な行為を自身の都合の下強行したといえるか否か」といえます。

これを本件に当てはめると、おむつ交換をそのタイミングで必ずしも完了させなければならない緊急性は認めがたく、本来であればご利用者が落ち着くまで待ち様子を見て交換すべきだったといえるでしょう。そう考えると本件は、いわば流れ作業の中でフロア全員のおむつ交換を終えるという目的を優先してしまった結果起きた事件とはいえないでしょうか。慢性的にそのようなやり方になっている施設は、何かあれば虐待と認定されやすく危険が大きいといえます。

もっとも、最終的に虐待に当たるか否かは総合的な判断が必要ですから、まずは客観的な事実(実際に起きたこと)を中心に報告するのが先決であり無難であると考えます。本件について施設長等に報告されるべきでしょう。

相談者の方についても「虐待に加担した」といえるかについては、派遣で慣れない環境であった訳ですから、とっさに職員に言われ従わざるを得なかったという事情も多分にあるかと思います。法的には「期待可能性が無い」と言いますが、要するにその場面ではやむを得なかったということは十分いえると思いますから、ご自身に何かペナルティが及ぶ様なことは無いと思って頂いていいでしょう。

 

勿論、本件を機に「こういうこともあるのだ」と注意して頂き、次に似たような状況になったときは毅然と断ることが必要です。派遣だからといって遠慮する必要はなく、おかしいことはおかしいとはっきり意思表明すべきです。

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