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あ行
アウトリーチ
ソーシャルワーカーやケースワーカーなどの福祉職が、自分ではサービス利用を申請できない利用希望者に手を差し伸べ、利用を実現させる取組みのこと。
アセスメント
元は「事前評価」。介護過程の初期段階において、利用者のニーズや身体状況、環境等を把握すること。
インテーク
援助についての初めての相談。受理面接ともいう。施設入所時の最初の面接が典型的。
インフォームドコンセント
カルテに「IC」とあればこれのこと。診療目的、内容などを患者に事前説明し、患者の承諾を得てから治療にあたることをいう。
エアーマット
床ずれ(褥瘡)を防ぐためのマット。高いので小規模な施設であれば常備していないことも多い(もしくは家族が自前で用意する)。空気の入ったチューブをつなげて自動的にポンプで空気を送り込み、一定間隔で交互に膨張・収縮させる圧切替え型と、エアーポンプのない静止型がある。揺れ・浮遊感があり、マットの上での身体の動きが妨げられるため、寝返りや起き上がりに不都合なことも。
エンパワーメント
本来は「力をつける」「支援する」という意味。要支援者やその家族が内発的な力を発揮できるよう応援し、自立した生活ができるよう配慮すること。
医療ソーシャルワーカー
メディカル・ソーシャルワーカー(MSW)とも呼ばれ、保健・医療機関に従事する相談窓口。ケアマネージャー等専門職と連携し、特に入退院時には情報伝達・意思決定の要となる。
嚥下障害
食べ物や飲み物がうまく飲み込めない、むせる、飲み込んだものが食道につかえるといった状態をいう。痴呆性高齢者や寝たきり高齢者、脳卒中などによる運動障害や失行のある人に多く、また舌癌や食道潰瘍などによっても起こる。刻々と状態は変化していくため、こまめな確認と状態に応じた栄養補給の選択が必須。
応益負担
所得に関係なく、提供されるサービスとその効果に応じた対価を支払うこと。介護保険制度は応益負担。「応能負担」と対語。
遺族年金
国民年金、厚生年金保険、共済組合の被保険者や組合員が死亡した場合、遺族に支払われる年金。遺族基礎年金 (国民年金、子供のある妻やその子供に支給)、遺族厚生年金 (厚生年金保険、一定の要件を満たす遺族)、遺族共済年金 (共済組合員の遺族)の三種類がある。
か行
ガイドヘルパー
身体障害者などが外出する際、その付添いを専門的に行うホームヘルパー。
グループホーム
「認知症対応型共同生活介護」とも。介護保険版と障害版がある。病気や障害などで生活に困難を抱えた人達が、専門スタッフ等の援助を受けながら、小人数、一般の住宅で生活する社会的介護の形態のこと。アットホームな雰囲気の中、自分でできることは極力行うという生活主体のスタイルだが、近年入居者の全体的な高齢化が進行し医療的支援体制の強化が必要となっている。
ケースワーカー
社会生活の中で困難や問題をかかえ、専門的な援助を必要としている人に対し、社会福祉の立場から相談や援助を行う専門家。日本では福祉事務所で現業を行う職員の通称ともいえる。生活保護受給者には一人ずつ担当ケースワーカーが付くため、何かあれば外部の人間は担当ケースワーカーに尋ねるとよい。
ケアハウス
軽費老人ホームの一種。軽費老人ホームはA型、B型、ケアハウスの三つに分かれるが、平成20年6月1日よりこの三類型はケアハウスの基準に統一された。60歳以上または、配偶者どちらかが60歳以上の人で、身体機能の低下または高齢者のため独立して生活するには不安がある人が自立した生活を継続できるよう構造や設備の面で工夫された施設。
ケアプラン
介護保険制度を利用するために必要な計画や記録等の総称。利用者本人でも作成できるが、依頼を受けケアマネが作成することが殆ど。1表、2表…と続き7表まであるが、第1、2表「サービス計画書」と第3表「週刊サービス計画表」がいわゆる「プラン」でありケアプランの要。第5表の「居宅介護支援経過記録」はケアマネの視点からつける記録であり、事実検証の際に重要性が高い。
ケリーパッド
仰臥位で頭を洗うための道具。後頭部をゴム製のパッドの中に入れ洗髪し、終了後に汚水を一方向に流せる形状になっている。
ゴールドプラン
平成元年12月に厚生・大蔵・自治3大臣の下で策定された高齢者保健福祉10ヶ年戦略。日本の高齢者保健福祉の基本方策について数値目標を含め提起したもので、平成6年にはこれを見直した新ゴールドプランが策定された。
介護保険施設
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保険施設、介護療養型医療施設(療養型病床群など)の総称。
介護老人保健施設
「老健」とも。病状が安定期にある要介護者に対し、看護や医学的管理下における介護、機能訓練、日常生活上の世話などを行い家庭復帰のための療養を行う施設。
介護認定審査会
訪問調査の結果と医師の意見書をもとに、要介護・要支援認定の審査判定業務を行う機関。市町村が設置する。
健側
けんそくと読む。障害を受けていない側、の意。右脳血管疾患で左半身麻痺の場合は右半身が健側と呼び、左半身が患側(かんそく)。
居宅サービス計画
ケアマネがケアマネジメント(居宅介護支援)の過程で作成する、要介護者等の在宅生活を支援するための介護サービスの利用計画。
居宅介護支援専門員
ケアマネージャー(ケアマネ)のこと。単に「居宅」と呼ぶこともある。介護保険法において要支援・要介護認定を受けた人からの相談を受け(「インテーク」という面接と、どのような介護サービスが必要かを査定する「アセスメント」の二段階がある。)、居宅サービス計画(ケアプラン)を作成し、他の介護サービス事業者との連絡、調整等を取りまとめる。サービス提供後は、それが適切か否かを定期的に評価し(「モニタリング」月に一度は利用者宅を訪れる義務がある)要介護者と介護者の状況に合わせて再びアセスメント、プランニングを行い、同サイクルを繰り返す。
居宅療養管理指導
医師、歯科医師、薬剤師等が利用者宅を訪問し、療養上の管理や指導をおこなう介護保険の居宅サービス。
後期高齢者
75歳以上の高齢者のこと。
後縦靭帯骨化症
OPLLとも。脊椎の後縦靭帯の異常骨化により、脊髄又は神経根の圧迫障害を来す疾病。上肢のしびれ、痛み、知覚鈍麻等が進行する。
筋萎縮性側索硬化症
ALSとも。運動を司る神経細胞が変性、消失していくために、手足の脱力に始まり、呼吸や嚥下に必要な筋を含む全身の筋肉が萎縮していく疾病。物議を醸した2014年のアイス・バケツ・チャレンジの広まりによって再注目された。
臥位
横に寝ている状態の体位。仰臥位、腹臥位、側臥位などがある。
見当識
人間関係、時間、地理など自分の置かれている状況を正確に認識する能力。痴呆性高齢者や意識障害などでこれらの認識ができなくなることを、見当識障害という。
言語聴覚士
言語療法の専門家。Speech-Language-Hearing Therapist 、略してSTとも。国家資格であるが、介護保険の訪問、通所リハビリには認められておらず医療保険扱いとなる。失語症や構音障害等のある言語障害者の言語能力や嚥下能力の回復を図るため、聴覚刺激を与えたり、復唱訓練等を行う。
さ行
サービス担当者会議
サー担、サ担とも。ケアマネージャーが主催し、訪問介護やデイなど利用者の援助に携わる者が集まり、今後のプランの見直し等について検討する会議のこと。
シャイ・ドレーガー症候群
起立性低血圧を中心に、たちくらみや失神、排尿障害、発汗低下など自律神経症状が潜行性に進行し、小脳症状、パーキンソン病、筋萎縮等の中枢神経症状が加わって、進行性に経過する神経変性疾患のこと。
ショートステイ
短期間入所し、利用者を一時的に保護するサービス。現実にはなかなか予約が取れない。上限は30日だが、一日だけ自費滞在を挟めば事実上エンドレスに滞在でき、これを業界用語で「ロングショート」という。
スティグマ
ハンディキャップの意。元々汚名の烙印という意味があり、心身の障害や貧困による社会的な不利益や差別、屈辱感や劣等感を指す。
ストレッチャー
対象者を寝たまま移送する車付きベッド。転倒事故後によく登場する。
せん妄
一時的に脳の機能が急激に低下し、意識混濁と幻覚、錯覚、不安、不穏、興奮を示す状態のこと。一時的という点で認知症とは異なるが、混同されやすい。
作業療法士
Occupational Therapy (OT)。医師の指示のもとに、身体又は精神に障害のある者に対し、手芸、工作その他の作業を行わせ、その応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図る作業療法を行う。
作話
認知症の症状の一種で、実際に経験しなかったことを、自分があたかも経験したように話すこと。
側臥位
そくがい。横向きに寝ている状態。この状態で長時間放置されると、腰骨部分が褥瘡になりやすい。
全介助
全面的に介助を行うこと。要介護度4、5ではほぼ全ての日常動作が「全介助」と判定される。
在宅介護支援センター
「在支」と略す。介護を必要としている老人対策のために、必要な福祉サービスを調整し介護の相談や指導を行う機関のこと。老人福祉法に基づく。平成18年より介護保険法改正により導入された「地域包括支援センター」の前身の様な位置づけ。
尊厳死
死期が迫っていることが明らかとなった場合、延命をはかる目的のみの人工栄養や酸素吸入などを拒否し、自然の摂理によって死を迎え入れること。尊厳死宣言に関する立法が昔から議論されているが、まだ成立に至っていない(2014年現在)。
座位
上半身をほぼ90度に起こした姿勢。
措置
介護の世界では、老人福祉法に基づく行政の利用者に対する緊急処分(親族による虐待からの一時避難など)を指す。措置権者(行政)が自ら利用者のニーズの判定、サービス提供内容、費用負担等を決定する。契約に基づきサービスが提供される現在の介護保険制度の例外。
清拭
せいしき。入浴できない要介護者の身体をタオル等で拭き、清潔に保つこと。
生活相談員
介護施設で、利用者の受け入れに際しての契約や手続きなど、窓口的な業務やマネジメントを行う。事故・トラブル時に施設の窓口となり、家族ら外部の人間と連絡を取り合う重要人物。デイサービスの人員基準では1名以上の常勤配置が義務付けられている。特別養護老人ホームの場合は「生活相談員」だが、介護老人保健施設だと呼び名が「施設相談員」となるがどちらも同じ役割。
社会福祉協議会
略称「社協」。すべての市町村に設置される社会福祉法人の一つで、福祉事業の調査・企画・助成・普及などを業務としている組織。民間組織だが公共性が高い。自前で訪問介護等の介護保険事業を運営する社協もある。後見制度の実施・拡充につき重要な役割を担う。
社会福祉士
社会福祉士及び介護福祉士法によって創設された福祉専門職の国家資格。身体上または精神上の障害があり、日常生活を営むのに支障がある人の福祉に関する相談に応じ、助言・指導などを行う(総称してアウトリーチという)。地域包括支援センターには必ず一人はいないといけない。
脊柱管狭窄症
脊髄の通り道である脊柱管が老化等により狭窄することによって、神経が圧迫され、腰痛、足の痛みやしびれ、歩行障害等を来す病気。
褥瘡
「床ずれ」とも呼ばれる症状で、身体の一部分に長時間の圧迫を受けることによって血流が悪くなり、組織が壊死した状態になること。悪臭、浸出液が出、ひどい場合は骨が見える状態にまでなる。清潔な環境、体圧の分散、栄養補給が必須。「褥瘡は看護の恥」という言葉があるが、案外病院で褥瘡が生じることもある。